ライター編集者・友光だんご日記

編集者/ライター・友光哲(友光だんご)の日記です。

ライターと編集者、全然違う仕事問題

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もう夏ですね。暑さから逃れに軽井沢へ行ってたんですが逃げられなかった。夏はどこまでもついてきた。

 

ライターと編集者、全然違う仕事問題

フリーランス化してしばらくはライター仕事中心でしたが、最近は「BAMP」が始まりライターと編集の割合が半々ぐらいに。だいぶ記事数が増えてきてサイトを眺めてると楽しいです。これからも面白い記事が続々出て行く予定です。

☆ライターの仕事はFacebookページにまとめてます→https://m.facebook.com/dangotomomitsu/

 

さて、今の状態になってみて気付いたんですが、「ライター」と「編集者」って違う仕事なんですよね(考えてみれば当たり前なんですけど)。

「ライター兼編集者」って名乗る人は多くて、僕もその1人。ただし、ライターと編集者で使う脳味噌って全然別もので。

 

いろんなの調整ごとや人の原稿を編集する作業をしていると、なかなか自分の原稿を書けなくてあっぷあっぷする時が割と多くなってしまい、どうやったら二つをうまく切り替えられるかしばらく悩んでいました。同業者に会ったら相談してみたり。

しかし数ヶ月やってみて、結局「やるしかない」なと気付きました。つまるところ根性論。

名乗った以上やるしかないし、できないなら辞めるしかない。

 

思い返すと、もともと本の書き手になりたくて、大学で「編集」という立場で本作りに関われることを知り、気づけば出版社に入って編集者になっていて。

なので、今こうしてライターとして書く機会をいただいているのは、一周まわって「書き手」という最初の目標にだいぶ近づけているんですよね。

だから、切り替えうんぬんも幸せな悩みだと思っています。

 

この夏は

今週末から宮崎→大阪・神戸、8月初旬には岡山と長めの出張が続く予定です。フリーランス5ヶ月目、旅先で原稿書く体力をつけるターンと思って頑張ります。

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書き手として声を届けたい(ウェブマガジン「BAMP」オープンによせて)

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こんにちは、友光だんごです。昨日、ウェブマガジン「BAMP」がオープンしました。

 

僕は編集者兼ライターとして関わっていますが、ウェブメディアの立ち上げに関わるのは初めてです。

錚々たるメンバーのなか、未経験のことばかりで目を白黒させつつ、自分にできることは書くこと!と、初期コンテンツの1本をまず担当しました。


インタビューしたのは、クラウドファンディングで設立資金の調達に成功し、諏訪に「リビルディングセンタージャパン」を作った東野唯史さん。

プロジェクト成功の秘訣を聞く、という切り口ではあるのですが、そこでのノウハウはSNSの運営法や文章の書き方、人への思いの伝え方など、結果的にクラウドファンディングに留まらずさまざまに応用できるものばかりでした(Facebookの運営メソッド、取材以来実践しています)。

ぜひご一読いただけたら!

 

 

さて、最後にBAMPに関わるにあたっての決意表明のようなものを書いたので、ブログに載せておきたいと思います。

 

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編集・ライターの友光だんごと申します。名前の由来は出身地・岡山名物の「きびだんご」です。

大学卒業後は出版社で雑誌編集をしていたのですが、BAMPの編集長である柿次郎との出会いをきっかけに、気づけばフリーランスの編集・ライターとして日本各地を取材で回るようになっていました。


 

以前の僕はどちらかというとインドア派で、家で過ごすことの方が多い生活を送っていました。しかし、フリーランスになって以降、今まで行ったことのない土地に行く機会がうんと増えます。

知らない土地で初めての人と出会い、話を聞き、彼らの声を記事という形にする。ライターはそんな風に「声を聞く」仕事と言ってもいいかもしれません。

 

BAMPがテーマに掲げる「小さな声」は、誰しもが持つものです。しかし、1人の声は小さいからこそ、なかなか多くの人の耳には届きません。僕自身、「どうせ届かないから」と声をあげるのを諦めてしまいがちな人間です。
 

 

ただ、誰かの小さな声の存在に気がつくことで、声を上げる勇気は湧いてきます。例えばBAMPの運営母体であるCAMPFIREやBASEは、まさに小さな声を可視化するためのツールだと思います。クラウドファンディングやウェブショップを通じ、発信する側はもちろんですが、受け手の側も「こんな声が、こんな想いがあるんだ」と知ることができる。BAMPも同じで、さまざまな声を伝えることで、「自分にもできるかも」と思ってもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

 

僕がBAMPで書く記事も、ひとつの「声」です。誰か1人の声では小さいけれど、いろんな人の声が集まれば、大きく、遠くまで届くものになるでしょう。別に皆が同じことを言う必要はなくて、ワイワイガヤガヤ、うるさくていいんだと思います。BAMPがいつかそんな風に、たくさんの声が集まる場所になるよう、僕は書き手として声を届けていきたいと思っています。

 

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すでに予告が出ている取材済の記事が2本。さらに今後も全国を回って「小さな声」を集めていきたいと思います。ガシガシ書いていくぞ〜〜!

 

 

サバイバルへの憧れは遊動生活の名残り?/読書メモ『暇と退屈の倫理学』

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こんにちは、友光だんごです。

ライターの根岸さんに勧められた國分功一郎氏の『暇と退屈の倫理学』が大変に面白かったので、雑感をメモします。

主に興奮したポイントとしては

・「サバイバルもの」を面白く感じるのは、人間の「定住革命」が原因だった? 

になります。

 

※『暇と退屈の倫理学』という本をとっってもざっくり言うと「なぜ人は退屈するのか、そしてその生とどう向き合っていけばいいのか」ということを考える本です。

 

なぜ人は退屈するのか

まず、退屈はなぜ、どうやって生じたのかという問いに対し、著者の國分氏は「定住革命」という考えを例に挙げます。

・人間という生き物は、縄文時代(約1万年前)までは移動しながら狩猟採集で食料を得る「遊動生活」を送っていた

・氷河期が終わり、温暖化が進むと大型動物などが減り、狩猟生活が困難になった。そこで人間は「定住生活」へと切り替わった

「定住」は人間にさまざまな変革をもたらすのですが、ここで重要な変化は「庭樹により、人間は退屈を覚えるようになった」ということ。なぜか?

 

 遊動生活では移動のたびに新しい環境に適応せねばならない。新しいキャンプ地で人はその五感を研ぎ澄まし、周囲を探索する。どこで食べ物が獲得できるか? 水はどこにあるか? 危険な獣はいないか?… (P.91より)

 

 しかし、定住するようになるということは、「常に同じ環境に身を置くこと」を意味します。そのため、今まで新しい環境へ適応するためにフル活用していた脳の能力を「持て余す」ようになってしまう。その「持て余し=退屈」とされます(本の中では「新たな負荷を求める」と表現)。

 

遊動生活=サバイバル生活では 

この「遊動生活で五感をフル活用する状態」って、イコール「サバイバル状態」だと思うんですよ。ちょっと話が飛びますけど。

僕、サバイバルする話がとっても好きなんですよね。吉村昭漂流』とか島田覚夫『私は魔境に生きた』とか。

文明が一度滅んだ近未来の世界で人が生きる話(ナウシカ的な世界観のやつ)もサバイバルものの面白さがありますし(椎名誠の『アドバード』『武装島田倉庫』に連なるSF群とか、オールディズの『地球の長い午後』とか)、

あと原始生活YoutuberのPrimitive Technologyの人とか。ずっと自然音が流れてるので入眠動画としても良い。


なんでこう好きなのかな、と思っていて、男子の憧れとかよりもっと根源的に、人間の生き物としてのルーツにまで遡るんじゃないか?と興奮したんですね。

娯楽としてサバイバルものに触れる行為は、まさに退屈から逃れようとする人間の本質的な欲求なのではないか、みたいな……

 

 

だいぶ頭の悪そうな感じになりましたが、『暇と退屈の倫理学』後半の

退屈から脱するには、「贅沢」を取り戻す=衣食住や娯楽を「楽しむ」ことが必要。つまり生きることに対する解像度を上げ、思考に対して開かれた状態になること…

という話もとても面白くて。

ここで紹介したのは本の内容のごく一部なので、気になった方はぜひぜひ『暇と退屈の倫理学』を読んでみてください。 

 

  

フリーランスに立ち仕事が効く説

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こんばんは、友光だんごです。新年度は喉にきた花粉症との戦いの日々です。花粉症というか風邪疑惑。

 

なんかいまいち調子つかめねえなあと思っていたさなか学生時代の友人と目黒の大衆居酒屋で飲んだんですが、その彼はフリーライター→最近会社員にという僕と逆パターンで。

彼から聞いて合点したのが

フリーライターは立ち仕事を週1でやるといい説」でした。

家がオフィスだと、まず人と会わない。かつライターはデスクワークが大半。

おまけにフリーランスは時間の使い方が自由すぎて逆に困るよね、という悩みがあるんですが、彼曰く週1〜2程度で立ち仕事(かつ接客)をやれば

・人と会う

・立ち仕事で適度に体を動かす

・定期の予定が立つからそこに合わせて仕事を組める

…と全部解決しまっせ、ということで。

「知り合いの店の店番」が一番いいんですが(チェーン店のシフトほど入りたくはない)んですが現状その伝手はないので、なんか探そかなと思ってます。

近所のがいいんだよな…家庭教師がいい説もある……

 

 

最近の仕事はfacebookページにまとめるようにしました。

https://www.facebook.com/dangotomomitsu/

 

もうちょっと更新頻度あげたいな。ではでは〜

フリーランスを1ヶ月やってみて

こんにちは。友光だんごです。

いい加減「だんご」という名前にも慣れてきましたが、まだ名乗った後に「本名ですか?」と聞かれると(3割くらいの確率で聞かれる)詰まってしまうので修行が足りないなと感じています。

 

フリーランス生活1ヶ月やった感想

・人との会話は減る

毎日会社に行っていたころと比べたら減る。1日家で作業してた日なんかは会話に飢えるので仕事から帰った妻と積極的に喋るようになる。夫婦の会話は増えたので結果オーライかもしれない。

 

・家事、意外と時間かかる

妻が働いてるので家が仕事場の僕が家事してるのですが、意外と時間くうのでちゃんとやってると仕事の作業時間が減る。いや、家事と仕事以外の休憩時間を減らせばいいんですが、その3つのバランスがまだ確立しない。仕事机の横にコタツがある環境も良くない気がしている。

 

・本を読む時間が減る

家にいると仕事しなきゃいけない気になる(ずっと仕事できているわけではけしてない)ので、前みたいに家で本を読む時間が減った。読む量が減っている。ウェブ記事を見る時間が増えてのはあるのだけど、もっと緩急つけた生活リズムにしたい。

 

・メッセやチャットでのやり取りは楽

フリーランス関係ないですが、前いた出版社だと仕事関係のやり取りは基本メール。いまはウェブ業界の人がほぼなんですが皆さんメッセンジャーやチャットワークでやり取りするんですね。メール打つ時間がいらなくなってとても楽。

 

結論:生活リズムをもうちょっと締めたい

 

さいきん面白かったもの

・「岡崎に捧ぐ」3巻

https://www.amazon.co.jp/岡崎に捧ぐ-BIG-SUPERIOR-COMICS-SPECIAL/dp/4091792243

幼年期の終わり」というか、青春の憂鬱がじわじわと作品に広がり始めてきた。同時期に出た「ハイスコアガール」の7巻も同じ感じだ。

 

・「冷凍都市で死なない」

「いまの若者のための暮らし系メディアが出てきてしまった!」と衝撃を受けた。タイトル向井秀徳ですが、「うまいこと生きのこるための暮らしの知恵」というテーマもサイトのデザインも写真もいい。しかも作ってるの年下。嫉妬もしてしまうのですが、いち読者として楽しく読んでます。こういうの作りてえな、というやつです。 

 

清竜人25「愛してる♡キスしたい♡Hしたい♡」

www.youtube.com

 最後までぶれずに振り切ったタイトルも、youtubeのコメント欄で「概念」て書かれてて笑った衣装も、多幸感てんこ盛りな曲も最高。

 

 

経験値ボーナス東北ツアー

こんばんは。友光だんごです。先週後半、山形・秋田を3泊4日で回ってきました。

そもそもは発酵デザイナーの小倉ヒラクさんと編集者の藤本智士さんが、柿次郎さんを案内するというツアーで。ジモコロの取材も兼ねており、鶴と亀の小林くんも参加。そして僕も同行させていただきました。

 

情報量の多い旅で、最終日には皆さん「頭がパンパン…」と言い合うくらい。詳細はジモコロの記事にて書くと思いますので、とりあえずFacebookに貼った写真でダイジェストします。

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食べ物もお酒も美味しかったなあ……山形・秋田とも初上陸だったので、風景も食も人も新鮮さしかなく楽しみました。

 

そして何より、今回は人からの学びが大きすぎた。

まずヒラクさん頭切れすぎ。僕の120倍くらいの速度と精度で物事を言語化するし、解説が本当に上手だし。そんなヒラクさんの話を聞きながら飲む日本酒の旨いこと旨いこと。

藤本さんは編集者の大先輩なので正直会うまではビビってたのですが、とても温かく接してくださり、直接伺う『Re:S』や『のんびり』の話はとにかく面白くて。「いちじくいち」や「なんもダイニング」といったイベントを通じて「地域の編集」に取り組む姿を間近で見られて興奮しっぱなしでした。

柿次郎さんに「つねにメタルキング倒してるような状態だね」と言われたくらい、目の前のものからも会話からも経験値がドバーッと押し寄せてくるような4日間で、行けたことに本当に感謝です。

 

あ、現地での買い物も、手持ちが無くなり柿次郎さんにお金を借りてまで沢山しました。

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秋田にて移動中に道の駅に寄る場面があったのですが、藤本さん&にかほ市役所の方にその場でオススメされたらついつい沢山買い物しちゃうわけです。完全に「よくできた観光バスツアー」でした。皆さん薦めるの上手すぎ。

 

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あとは最終日に寄った秋田市民広場でのイベント「なんもダイニング」にて、貴重な『Re:S』バックナンバーや、北東北のローカル誌『rakra』で藤本さんが責任編集を務めた号も購入。rakraは、通常の表紙と異なり、イベント限定で写真違いの特別版!帰ってからじっくり読んでいます。

 

それでは取材記事が公開されたらまたお知らせしますー!